アスタキサンチンの赤いチカラ

なぜ、サケの身は赤い?

サケは産卵のために川を遡上します。過酷な旅には沢山のエネルギーが必要ですが、同時に悪玉酸素である活性酸素も発生します。活性酸素が過剰に発生すると筋肉が傷ついてしまいます。それでは目的を達成することはできません。そこで、彼らは筋肉にアスタキサンチンを十分にため込こんで遡上します。筋肉に発生する活性酸素をアスタキサンチンが消去することで目的地にたどり着くことができるのです。サケは本来は白身の魚で、赤い身の色はアスタキサンチンだったのです。

紫外線から身を守るアスタキサンチン

遡上を終えたサケは、筋肉に蓄えていたアスタキサンチンを今度は卵(イクラ)に移します。さんさんと紫外線が降り注ぐ浅瀬に産み落とされる卵を遺伝子障害や脂質の酸化から守るためです。卵中のアスタキサンチンの含量が低い赤くない卵(イクラ)は孵化率が低くなるといわれています。また、タイは体表、エビやカニは殻にアスタキサンチンを蓄積しています。これも、紫外線から身を守るためで、アスタキサンチンは、生体内防御物質として働いていると考えられています。

自然界でのアスタキサンチンの役割

それでは、この赤い色は一体どこから来ているのでしょうか。サケはエビ・カニを食べます。エビ・カニは藻類を食べます。藻類が作り出したカロテノイドをエビ・カニがアスタキサンチンにして、それがサケへと食物連鎖されています。ヘマトコッカス藻という藻類は、強い光に当たるとアスタキサンチンを作って赤くなります。これはサケの卵やタイの体表、エビ・カニの殻と同じく、自らの身体を守るためだと考えられています。このヘマトコッカス藻は大量のアスタキサンチンを作り出し、その含有量は地球上で最大と言われています。

食物連鎖でアスタキサンチンを蓄えている成分

食物連鎖でアスタキサンチンを蓄えている生物