暖かい季節になり、外に出て体を動かしたくなる季節ですね。冬の間に凝り固まった体をほぐし、ランニングやウォーキングを始めるという方も多いのではないでしょうか?運動の効果を十分に担保するためには、必要な栄養素を摂取することも重要なポイントです。そこで運動時にが必要な栄養素についてご紹介します。

◆運動に欠かせない「水分補給」

 運動に必要なエネルギーを体の中で作るために、最も基礎となる物質は水分です。エネルギーのもとになる栄養素やエネルギーを作るときに生まれる代謝産物を臓器に届け、また臓器の間を相互に移動できるのも水分のおかげです。このことから運動中に水分を補給すること、運動終了直後にまずは水分を補給することが運動の効果を担保する上でのキーポイントになります。

 水分は、真水のほかに緑茶、紅茶でも良いのですが、電解質が補われたスポーツドリンクや、ビタミン・カルシウムなどが豊富に含まれているフルーツジュースなどもおすすめです。

◆「糖質」は運動時のエネルギー源

 運動は、筋肉にある筋グリコーゲンがエネルギー源となります。グリコーゲンは糖から生み出され、運動前に筋肉や肝臓に蓄えておく必要があります。日頃から、お米、パン、イモ類、麺類などをしっかり取る食習慣を心がけることです。

 お相撲さんの食事「ちゃんこ鍋」では、魚・鶏肉などのたんぱく質と、食物繊維の豊富な野菜、キノコ、こんにゃく等を入れることがよく知られていますが、ちゃんこ鍋の前には、丼飯やうどんを食べて糖質を摂取しています。この糖質が短時間で勝負をするエネルギー源になります。

 では、長時間運動のマラソンはどうかというと、これも筋グリコーゲンや肝グリコーゲンの蓄積が成績に大きく関わってきます。マラソンやトライアスロンの競技者は一般的に、レース本番の1週間前頃から糖質食を控え、直前の3日前頃から高糖食に切り替えるコンディション作りをします。カーボローディングといい、グリコーゲンを効率的に蓄える方法として、様々なやり方が研究されています。

 以上のことから、運動終了時に水分と並んで摂取するべきは、糖質です。しっかりご飯を食べましょう。さらに運動中、また食事中に活性酸素が発生するため、ビタミンCや緑黄色野菜などの抗酸化物質も補いましょう。栄養素を意識することで、運動の効果を高めて健康的な体づくりを目指してくださいね。