◆運動前の補給で筋肉の分解を防ぐ

 プロテイン(タンパク質)は、筋力アップや体力維持はもちろん、肌・髪・爪など健康的な体づくりに欠かせないものです。体を動かすエネルギー源は、血中のアミノ酸粒子(プロテインが分解されたもの)が動員されることがあります。プロテインは摂るタイミングによって働き具合が著しく異なるため、運動の効果も左右します。

 例えば、朝起きてすぐに筋トレやランニングをした場合、筋肉の中の糖質が不足している状態なので、血中のアミノ酸粒子が動員されると筋肉が分解されてエネルギーに変換されます。これでは筋肉がどんどん減ってしまいます。こんな時は、おにぎりやクッキーなどを軽く食べ、筋肉・血液中にエネルギー源を補給してから運動すべきなのです。つまり、運動前は空腹にしておく方がいいと言うのは間違いです。運動の30分ぐらい前にアミノ酸を摂っておくことで運動中、運動後の筋肉の分解を防ぐ効果が考えられます。

◆プロテインとアミノ酸の関係

 アミノ酸の中には、体の中で作れないため食事で摂取するしかないもの(必須アミノ酸)があります。肉類、魚類、卵、牛乳、大豆などです。特に豆腐、納豆は「ベスト・アミノ酸食」と言われています。プロテインは、このアミノ酸が数十個以上つながった集合体です。

 食事で取り込んだプロテインは、消化器官でアミノ酸まで分解されて吸収されます。吸収されたアミノ酸は、体内で新たなプロテインに合成されて、全身の体づくりに使われます。消化器に不安のある方はサプリメントで摂り込むのも一つの方法です。

 サプリメントは分岐鎖アミノ酸(BCAA)と言ってイソロイシン・ロイシン・バリンが含まれているものを選びましょう。商品の成分表を参考にするとよいでしょう。このBCAAは筋肉内でエネルギーを生み出すプロセスと深く関わっているので、ランニングのような持久的運動や激しい運動で、筋肉の中のグリコーゲンが使われている時には、十分に摂っておくことでエネルギー供給に役立ちます。また、筋肉の分解を防ぐ効果があります。BCAAが多く含まれている食品は、牛肉、卵と白身魚です。

◆運動後30分~1時間以内の摂取がおすすめ

 運動後には、水、糖質とともにプロテイン摂取が大切です。プロテインは糖質と一緒に摂ることで体内への取り込みがスムーズになります。プロテインの取り込みは、運動後30分から1時間ぐらいがピークで、その後24時間ぐらい右下がりです。しかしその後も分解・合成が続きますから、運動を実施しない日でもプロテインを摂取することは必要です。