◆ナトリウム

 

 ナトリウムはカリウムとともに体内の水分量を調節するほか、神経の働きを正常に保ったり、筋肉や心筋を収縮させたり、大切な栄養素であるミネラルの吸収を助けるなど、生体にとって非常に大切な物質です。

 一方で、ナトリウムの摂りすぎが続くと、次第に血圧が上がって高血圧症になる恐れがあります。高血圧症は大変怖い症状で、これによる動脈硬化は、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる病気へのリスクが高まります。

 ナトリウムは塩素と結びついて食塩として摂取するため、食塩はもとより、次のような食品の摂りすぎにも気を配る必要があります。

【肉類】サラミ、ウィンナー、ハムなど、【魚介類】たらこ、干物、練り製品など、【調味料】スープの素、醤油、赤味噌など、【その他】漬物、梅干など。

日本人の食生活は、ナトリウムが不足する事はほとんどないと言われていますが、極端な塩分制限を続けると、下痢や体がだるい、吐き気の症状が現れることがありますので注意してください。

◆カリウム

 カリウムはナトリウムの相棒のような存在で、ナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保ち、細胞間の水分量や栄養素の運搬の調整を担っています。過剰なナトリウムを排出させる働きもあるため、血圧を下げたり、腎臓から老廃物の排泄を助けたり、高血圧症、腎臓病の予防に大いに役立つ物質です。

 また、余分なカリウムは比較的短時間で尿の中に排出されるため、腎機能が正常であればナトリウムと違って過剰摂取になる心配はほぼありません。カリウムが豊富な食材は、【野菜類】きゅうり、トマトなど、【海藻類】わかめ、昆布など、【果物類】りんご、みかんなどです。なかでも海藻類は、世界でも食べる人たちはそう多くなく、日本人の長寿の一因だと言う説があるくらい、血圧上昇を抑制する効果が考えられます。

 健康のためには、濃い味付けや加工食品をなるべく控え、海藻や野菜、果物を多く取り入れる食習慣を心がけましょう。