◆「サルコペニア」「フレイル」の対策は、歩くこと
最近、「サルコペニア」や「フレイル」という言葉を耳にすることはありませんか?サルコペニアとは加齢により筋肉が減ること、フレイルとは心身が老い衰えた状態を指す言葉です。これらは生活習慣病の予防や老化防止の文脈でよく使われ、「運動不足は怖いよ」と警告しています。
ここでいう運動不足とは、主に歩行のことです。日本人は、先進国の中でも1日のうちに立っている、あるいは歩いている時間が最も短いと言われており、この生活習慣に起因するサルコペニア、フレイルの対策には人一倍関心を持つ必要があるとされています。
歩行不足でさらに心配なのは、抗重力筋と呼ばれる太もも、ふくらはぎ、背中などの筋肉が脆弱になり、転びやすくなることです。筋肉が脆弱になっている人は、骨も弱くなっていると考えられます。したがって、転倒によって骨折をし、さらに運動不足になり、命に関わる糖尿病、高血圧、脳卒中、心筋梗塞などの罹患率が高まってしまいます。
図を参考に、一度ご自身の筋肉量をチェックしてみてください。
◆1日4000歩~6000歩を目標に
生活習慣病対策には様々な知見がありますが、最低でも1日4000歩、多くて6000歩位の歩行が良いと言われています。そんなに!と驚かれる方も多いでしょうが、日頃、家事や通勤で大体2000~3000歩位は歩いていますので、通勤で少々遠回りをするとか、買物の歩行距離を伸ばすなどの工夫をすれば達成できる歩数です。
筋肉の維持には、室内で気軽にできるスクワット運動もおすすめです。週2~3回からでも改善が見込めます。
筋肉は男女ともに45歳位から急激に減り出します。長時間座ったままにならないよう、日頃からなるべく歩く生活を心がけましょう。