◆運動をすると疲れる… それでも運動が必要な訳
運動をしないで、丈夫な体を作れないものだろうか? 誰しも一度は考えそうなことです。人間という動物は元来なまけ者ですから。気持ちはよく分かります。しかし丈夫な体づくりには、適度な運動がやはり必要です。なぜなら、人間は運動後に休息と栄養をとると、元の水準以上に体を丈夫に回復させるシステムが備わっているからです。
◆疲労から回復する過程で体は丈夫につくられる
ここで、運動による疲労と回復について説明した図を見ていただきましょう。
図のAーBは運動している過程です。疲労していく過程とも言えるでしょう。運動をしているという事は、体内から様々な栄養素が失われ、活力が失われて行き、さらに活性酸素が産生されていくことです。これが「疲れる」という状態です。
Bは運動を終わらせた時点です。その後、軽く整理運動をすることで、運動で歪んだ体を整えたり、疲れを早く取り除き、失われた栄養素を運搬したりします。
BーCは、疲れからの回復過程です。ここで体が丈夫になっていきます。ただしこの過程で、バランスのとれた食事、特にたんぱく質の摂取に配慮し、体内時計に合わせて生活することが必要です。
運動の質・量にもよりますが、筋肉・ 神経系・血液等は、約24時間で疲れが取れ、さらに体の丈夫さが増していきます。CーDがそれを意味し、これを「超回復」といいます。
A~Dの過程を繰り返すことで、体は鍛えられ、丈夫になっていくのです。
それでは「超回復」を促す生活のポイントをご紹介しましょう。
「超回復」を促す生活のポイント
❶ 24時間で回復する程度で
競技スポーツのトレーニングとは異なり、良好な心身の状態(ウェルネス)のための運動は、大体24時間で疲れが取れ、気分や体調もすっきりする程度の質と量を心がけよう。
❷ たんぱく質と抗酸化成分
トレーニング効果を得るには、失われた栄養素と体を作る栄養素をしっかり摂ることが大切。疲れの回復を邪魔する活性酸素を押さえ込む抗酸化物質の摂取も欠かさずに。緑黄色野菜、緑茶のほか、サプリメントの活用も◎
❸ 空腹での運動は避ける
特に早朝は最も空腹の時間帯なので、運動前にクッキーの1枚でも食べ、水を飲んでから始めよう。
❹ 活動的なお昼に運動する
動物である人間は、体内時計で動いている。できれば午後3時頃から7時頃の間に運動するのがベター。
❺ 日光に当り、良い睡眠を
十分に睡眠をとることも大切。朝目覚めたときはもちろん、日中も太陽の光を浴びることが眠りの手助けをするメラトニンの合成に役立つ。
以上を意識して、日々の運動に取り組んでみてくださいね。